東北暮らし女子の気まぐれ日記~時々、吐露~

気まぐれに日記のように綴ります

魔女の宅急便

この作品が大好きなのだ。

魔女の宅急便を見て箒に跨がれば飛べると信じていたあの頃。
私は実際に下り坂を箒に跨がって走り降りた結果、見事なスライディングをかまし、膝が死んだ経験を持つ。

魔法使いとロンドンという世界観もだが、出てくる風景、部屋、お店、ご飯、全てが好き。
パン屋さんのパンが焼ける匂いまでが画面越しに伝わるようで、たまらなかった。
スーパーで買い物をしたら茶色の紙袋に入れてフランスパン抱えて持って帰るなんて素敵!と。

魅力的な登場人物が豊富なのもこの作品ならではだ。キキはもちろん、ジジ、トンボ、ウルスラ
中でも私はパン屋のおそのさんと旦那さん、キキのお父さん、そしてニシンのパイを作るおばあちゃんがとっても好きである。

おそのさんは、今思えばなりたいかあちゃんランキングNO.1と言っても過言ではない。
愛想、面倒見、熱意、優しさ、そして懐の広さ。
大口開けて何事も笑い飛ばす姿が快感だった。
旦那さんも無口なれど心優しい気遣いが随所に出ていて素敵だ。
キキのお父さんの良さは、となりのトトロのお父さんに通じるところがあるが、決してキキの意志を否定せず、励ましながら諭し、優しく包み込むエールの出し方をする姿は本当に理想のお父さん像である。

そして最後におばあちゃん。

私が唯一、魔女の宅急便を見て涙が出てくるシーンがある。
おばあちゃんが作ったキキケーキ(これを作りたい食べたいと何回夢見たことか...!)をキキに渡して、キキという人に届けてほしいというシーン。
受け取ったキキが言葉に詰まって泣きそうになってこらえる瞬間に、おばあちゃんが言うのだ。
「キーキ。」
この言葉が胸にしみてしみてしょうがなかった。
キキの様子を微笑みながら見て、優しく相手を慈しむようなおばあちゃんの声色に、何度見ても心揺さぶられた。
今でも思い出すだけで泣けてくる。

思わず泣きそうになるキキに自分がリンクしたんじゃないかと錯覚するほどこのシーンが作中で一番好きなのだ。

思春期の女の子の成長物語と言えばお決まりの難題がたくさん出てくるイメージ通りの展開があるが、年頃の女の子らしく、感情を剥き出しにしたり、困惑で泣きそうになったり、勇敢にも立ち向かう様は誰しもが青春を懐古すると思う。


どんなありきたりな日常のシーンでもワンカットワンカットに目が釘付けにされた。

ウルスラが落ち込むキキに会いに来たときに食べていたチョコレートケーキのようなパンを見たら、似たのを食べたくて、パン屋さんで探した。
ニシンのパイを嫌いと言いながらも受け取る孫娘にイラッとしつつも、直接おばあちゃん本人には言えない孫なりの気遣いがあるのかもと想像を掻き立てられる。
(ちなみに宮崎監督はあのシーンで、働くことが結果として誰にでも感謝されるわけではないことを伝えたかったらしいと聞いた。うーん、深い。)

そうそう。
ミルクで火傷するジジ、旦那さんのウィンクにひぇっと固まるジジ、ファッファな白猫ちゃんのツンデレに翻弄されるジジ。トンボを助けたラストシーンでキキの肩にすり寄る可愛いジジ。
動物達も非常に魅力的な描写がされている。

ジブリ作品で好きな作品はたくさんあるが、間違いなく一番見た回数が多い作品である。
そして、絶対また同じシーンで泣くのだ。
子供の時と大人になってからで感想が変わってくるのはジブリ作品の特徴で、最大の強みではなかろうか。
(ちなみに一番感想が変わった作品は、紅の豚。私のなかで殿堂入りの傑作である。NO.1。)

うーん、折角だからキキケーキ、大人になったことだし挑戦してみようかなぁ。

皆さんの好きなジブリ作品はなんですか?(*^^*)
この自粛中、もう一度見直してみよう!