東北暮らし女子の気まぐれ日記~時々、吐露~

気まぐれに日記のように綴ります

自惚れとは総じて他人から見ると

仰々しいタイトルである。

有り難いことに、私が今所属している職場の課の雰囲気は非常に良く、仕事環境は最高と言える。

実は、社会人2年目の時に、所謂パワハラの権化と言える人が直属の上司であった。そのため、あの当時は良くない方向に5キロぐらい痩せた。痩せたというより不健康に青白くやつれた、といったところだった。
「今のご時世にここまでパワハラが服着てるような
人間存在するんか。」と最早憎悪を通り越して憐憫の眼差しでその上司を見ていたのは言うまでもない。
(まぁ反面、そのお陰でちょっとのことではヒヨらないメンタルが育ったような気もするが。感謝はあんまりしたくないけど。)

そんな経験もあるからか、4年目で旧所属から異動して、配属された今の所属課は本当に恵まれていると心から感謝したい気持ちになる。
現所属2年目に入り、仕事が大変でも、改めて周囲の人達のお陰で心穏やかに仕事を出来る環境は大事だなぁと感じる。

そんななか、今日はとても印象的な話があった。

うちの課は、課員、総括、そしてその上に課長という構成。
課長と総括と、自分の担当業務について相談していたときのことである。
不意に、課長が総括へ言った。(この総括は今年の4月から異動してきた方。私と課長は現所属2年目、総括は1年目となる。)
「うちの課員達は有り難いことに、言わなくても頑張る。だから俺達は課員達へ、頑張りすぎないように、今やらなくても良いことはやらなくて良いと言うこと。そしてオーバーヒートしていたら、仕事を振ってもらうこと。」

..この何気ない言葉が、誰でも言える言葉ではないと何人が気付くだろうか。

普通の上下関係だけで考えれば、上司は部下へ仕事を振るのである。しかし、うちの課長は課員から仕事を上司へ振らせろと言う。
この何気ないのに、誰しもが言えるはずなのに出来ない声掛けと上司の心持ちで、部下は救われる。

「部下なんだから頑張れ」
「俺も若い頃は死ぬほど苦労して上司に怒鳴られながらやったんだ。だから、頑張れ」
..さて、健気に受け入れて身体を壊し、メンタルをやられて休職などをした部下へ、こういう上司はなんて言うかって?
「最近の若いやつは、忍耐も体力もないな」
「俺の若い頃はもっと大変だったのに」

と、こういうことになるのではないだろうか。

勿論、苦労は買ってでもせよ、と言う言葉はあながち間違っていない。若手のうちに頑張った経験と努力と、死ぬほどしんどい時間を経た人は将来に必ず活きる。

だがしかし、己の肉体を精神からなにから壊してまでやる必要のある仕事など無い。
何時だって自分の身体が最優先である。
身体は資本。ネジのはまらない時計に働けったって無理だろう。ネジを抜いたのは他ならぬとんでも上司であるのだから。


そして、話が戻るが、有り難い上司の心遣いを受ける部下にも二種類いると思う。
「差し伸べて貰った手を握って、これは私がやれます、これは時間的に厳しいので手伝ってくださいと言える人」。
もう片方は「自分が身を粉にして頑張っていることに酔っている人」である。

後者はたまに見るのだが、
しんどそうにしているのに気付いているから上司は手を差し出しているのに、「大丈夫です!なんとかします!」とお断り、休日返上で働いて働いて、自分がいかに頑張っているかに酔っているタイプ。
相手にそれを見せたいタイプもいる。

気分を害する人もいるかもしれないが、私はこのタイプが嫌いである。
というか、なりたくないのである。

勿論、前提として「上司が救いの手を差し出している状態」ということがある。
直属の上司が無関心かつ部下に丸投げ、全く気遣いも無い人なら話は別である。
それはもう上に立てる人間ではない。


救いの手を差し出しているのには理由がある。
今のペースで仕事を進めたら、身体を壊しそう、あるいはどんなにやっても量的に納期までに終わらないというのが他の人から見て分かるから、という場合が多いと思うのだ。
そうなると、迷惑を被るのは残念ながら部下本人だけではない。上司、あるいは関係機関全体に迷惑がかかるのだ。
無理をして終わらせるのが美徳と考える部下タイプの人は、「自分頑張ってます!」は良いけども、「他の人にも迷惑がかかるかもしれない」が抜けていることが多い。

そう、自惚れとは総じて他人から見れば、とんだ勘違いな場合がある。

本人は「頑張ってるぞ!私は!」と思っている。
他人は「頑張ってるぞ!アピールされて終わらなかったり締め切りに間に合わないと、皆に迷惑かけているんだぞ」と思っている。

悲しくない?
頑張っているのに、全然喜ばれないって。



私は優秀ではないのもあって、業務対応が追い付かなくなり追い詰められることが多い。
スケジューリングが苦手。
そんなときに前述の課長と総括へ、仕事の手伝いを頼むことも勿論ある。

申し訳なさもあるし、恥ずかしさもちょっとある。
だけど、終わらないと、この2人にも迷惑がかかる。
恥を捨てて、出来ないことは手伝って貰う。
それが結果として良い方向に行くと共に、次からの仕事の進め方を考える教訓になると信じたい。

自分が頑張るのは当たり前の話だが、頑張る自分に自惚れて、他人に迷惑をかけないようにしよう。

私はこの課長と総括に感謝している。
だからこそ迷惑をかけたくない。
そんな上司に恵まれている期間も何時まで続くか分からないから、今のうちに仕事の進め方を学ぶのだ。

良い意味で、「上司を活用するんだぞ」

課長はそうも言った。
そう言って貰えるなら、胸を存分に借りて、飛び込んでいこう。
恥ずかしがらない、自惚れない、努力は怠らない、周りへの迷惑を考える。

5年目の今、改めて問おう。
「自惚れとは総じて?」